異例の「会議全面公開」に映る政権の危機感 インボイス、広がる波紋

異例の「会議全面公開」に映る政権の危機感 インボイス、広がる波紋 岸田政権の「危機感」なんてどうでもよい。全国の小規模事業者が抱く「危機感」こそ、最も強調されるべきもの。廃業に追い込まれるところも出てくる。暴走するいかれた政権は、「選挙」で止めるしかない。

インボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議に臨む岸田文雄首相(右)=首相官邸で2023年9月29日午前10時37分、竹内幹撮影
インボイス制度円滑実施推進に関する関係閣僚会議に臨む岸田文雄首相(右)=首相官邸で2023年9月29日午前10時37分、竹内幹撮影

 10月から始まる消費税のインボイス(適格請求書)制度を巡り、小規模事業者を中心に不安や反対の声が広がり、政府が事態収拾に懸命だ。オンラインでの反対署名は50万筆を超え、反対集会には野党幹部も参加して導入撤回を求めた。一方、政府は9月29日、インボイス制度に関する関係閣僚会議の初会合を開き、10月に策定する経済対策に支援策を盛り込むと表明した。導入によって混乱が生じれば、内閣支持率の更なる下落を招きかねず、岸田政権は神経をとがらせている。

 「中小・小規模事業者から不安の声も上がっている。政府一丸となって事業者の抱える不安を解消し、取引環境の改善につながるよう支援に取り組んでほしい」

 9月29日の関係閣僚会議で岸田文雄首相はこう指示を出した。閣僚会議は通常、会議の冒頭や終了前に行われることが多い首相のあいさつなど一部しかメディアに公開されない。全ての発言が公になれば、率直な意見交換が難しくなると考えているためだ。

 だが、この日は約13分にわたった会議を異例の全面公開とし、鈴木俊一財務相など閣僚らが各省庁の取り組みを紹介。公正取引委員会の古谷一之委員長からは同27日時点で約3000件の相談が寄せられ、相談が日増しに増加していることも報告された。首相周辺は…